PROJECT STORY
商工中金の総力をあげて、
スタートアップ企業の成長を支援
複数の金融機関が連携し、大口の融資に対応するシンジケートローン。健康に配慮した冷凍弁当の宅配サービスという新たなマーケットのスタートアップ企業に対し、商工中金が主幹事となってシンジケートローンを組成、成長支援を行いました。プロジェクトの背景や課題、それを乗り越えた先にあったものとは。商工中金でも前例の少ないプロジェクトを担当した藤井に、その思いを語ってもらいました。
藤井 康平KOHEI HUJII
総合職 営業窓口
船場支店 営業第五課
2010年入社/経営学部卒
商工中金が主導し、
金融機関と連携して融資を実現
本プロジェクトの概要を教えてください。
健康に配慮した冷凍弁当を、サブスクリプション形式で個人向けに製造販売しているスタートアップ企業のお客様に対し、複数の金融機関から成る銀行団の主幹事行として、シンジケートローンを組成することで大口融資を実行しました。お客様は急成長中のスタートアップ企業で、売上が急増していたことから、新たな工場建設や設備投資が必要になったことが背景にありますね。
どのような体制でプロジェクトに対応しましたか?
商工中金が主幹事行として窓口となって、シンジケートローンの条件や他行への交渉、お客様への説明などを行いました。社内体制としては営業店の他に、シンジケートローンの専門部隊であるソリューション事業部や業界分析を行う産業調査部、事業性評価を含めて審査する融資部など、様々な関係者と連携して進めました。
プロジェクトを担当することになった際、どう思いましたか?
正直なところ、本当にできるのか、というのが第一印象でした。スタートアップ企業に対するシンジケートローンの事例が少ないなか、審査基準や目線が異なる他の金融機関を説得し、取りまとめなければならないハードルの高さを感じました。ただお客様の事業や企業のポテンシャルはとても高く感じていたので、どうやったら実現できるのかを考え、行動していきました。
お客様の社員になったつもりで、
協力者を募った
プロジェクトで困難だった点を
教えてください。
プロジェクト担当当初の感想通り、やはり参画する金融機関を集めることが大変でしたね。お客様はスタートアップ企業なので、取引のある銀行が限られていたため、融資希望額を満たすためには現在取引のない新規行にも協力してもらう必要がありました。そして、プロジェクトへ参画いただくためには、他行にもお客様のことを深く理解してもらわなければなりません。そのため事業性評価には時間をかけ、自分自身もお客様への理解を深めて他行に説明し、納得いただいた上で参画してもらえるよう努めました。
お客様の理解を深めるために
取り組んだことはありますか?
健康食品を扱うお客様だったので、まずは実際に自分で他社も含めて様々な製品を注文して食べてみたり、妻からも意見をもらったりもして、業界分析に力を入れましたね。またこれまでにない新興市場ですが、すでに様々なプレイヤーがいたので、お客様からの情報だけでなく、お客様と取引のある他行からも情報をもらい、外部環境と内部環境の両方から他社との差別化ポイントを徹底的に整理することで、企業理解を深めていきました。
他行との連携で意識したことはありますか?
事業内容や強みをお客様の社員になったつもりでお伝えすることです。このプロジェクトは工場の新設や設備投資などの工期の関係で、猶予は残り半年あまり。そのため、遅滞なく進めていく必要がありました。他行から寄せられる様々な質問に対しスピーディにレスポンスし、期限に間に合うよう誠心誠意対応しました。
不可能を可能にしたことが、
自信につながる
プロジェクトの反響はいかがでしたか?
実はこのプロジェクトは一度他行が主幹事を担い、頓挫したという経緯があったんです。そのような背景があるなかで商工中金にお声がけいただき、我々が主幹事を担当したことで、希望額通り満額融資することができました。そのためお客様からは「主幹事が変わることで本当に実現できるとは思わなかった」という喜びの声をいただけました。
また、商工中金として当案件のプレスリリースを行ったことでお客様のPRにつながり、広報の面でも喜んでいただけましたね。
プロジェクトを終えてどう感じましたか?
商工中金の総力をあげてシンジケートローンの組成につなげられたことで、商工中金の底力というものを改めて感じることができました。他行ではできなかった不可能に近い案件を、可能にできたことは自信にもつながりましたね。上場を目指しているスタートアップ企業への投資という重要なフェーズに関われたことも、大きなやりがいでした。この経験を活かして、その他の類似した案件やよりレベルの高い案件にチャレンジしていきたいです。
一番の相談者になるため、
レベルアップを続けたい
プロジェクトを通じて感じた、
商工中金の強みを教えてください。
80年以上に渡り中小企業を支援しているため、豊富な経験やノウハウを活かしてお客様の事業発展や雇用維持をサポートできることです。また他行では難しいスタートアップ企業の支援に果敢に取り組んでいるのも強みだと思います。大きく成長する可能性のあるお客様を、資金面を含めてトータルサポートすることで、お客様のみならず日本全体の経済成長に貢献できれば担当者冥利に尽きますね。
プロジェクト後、お客様とは
どのように付き合っていきますか?
引き続き設備投資計画をフォローし、ソリューションを提供していく予定です。例えばスタートアップ企業であれば、事業展開のスピードが速いので、ビジネスマッチングのニーズも見込めます。幅広いソリューションでお客様の成長を手助けできればと思っています。
今後の展望について教えてください。
お客様にとって、一番に相談してもらえる存在になりたいです。様々な銀行の担当者がいるなかでオンリーワンの担当者になれるよう、チャレンジを続けてレベルアップし、信頼を獲得したいと思います。