Project Story 04

お客さまの10年先を見据えている
商工中金だからできたアプローチ

高木 菜水Nami Takagi

2017年入社/福岡支店 営業第一課

MOVIE INTERVIEW

シンジケートローン不調を伝える気が重い初訪問

先輩の転勤に伴い高木が担当することになったお客さまは、和菓子や洋菓子をメインに製造・販売する企業だった。福岡県を中心に多数の店舗を展開し、地元では銘菓の代名詞として誰もが知る存在である。そのお客さまへの初訪問は、高木にとってきわめて気が重いものだった。お客さまが資金繰りを改善するために期待していた、リファイナンスシンジケートローンの組成が不調に終わったことを告げなければならなかったからである。そのお客さまは、近年売り上げが思うように伸びず、借入返済の原資となるキャッシュフローが金融機関への年間返済額を下回っていた。つまり、借入を返済するために新たに借入を起こさなければならない状態である。そこで商工中金が主導して、お客さまと取引のある金融機関数行に呼びかけリファイナンスシンジケートローンの組成を求めていたのであった。各行が協調して同じ条件の下、年間の借入返済額を緩やかにすることができれば、お客さまは新たな借入を起こすことなく自社のキャッシュフローだけで借入を減らしていくことができ、資金繰りが改善するというスキームである。しかし、どの金融機関も断りを入れてきたのだった。金融機関にとって、ご融資した資金は当初の返済計画で回収するのが大原則である。借入返済額を緩やかにするというのは耳障りのいい言葉だが、返済を先延ばしにすることともとれるため、民間金融機関にとって、審査のハードルは自ずと高くなる。短期的目線に立てば、資金を当初の計画通り返済していただきたいとする民間金融機関の考え方は営利を追求する会社である以上ごく自然なものだ。だが商工中金はその考え方とは一線を画す。商工中金の考え方は、先に資金繰りを改善・安定化していただき、より本業に力を入れることで安定的な成長を後押しするというものである。お客さまの持続的な成長が続くことで、ご融資した資金も確実に返済いただけるとの中長期的な目線でお客さまに寄り添っているのである。中小企業の抱える最大の課題は、資金繰りそのものであるといっても過言ではない。ただ、金融機関それぞれの融資判断があるため、今回のケースはリスクテイクできないと断られてしまったのである。

古くから人気銘菓を製造・販売するビジネスに問題なし

お客さまに向かう車中で同行する課長も渋い顔をしていたが、高木はシンジケートローンがダメなら商工中金単独で何か踏み込んだ提案ができないか頭を巡らせていた。出迎えてくれたのは、社長と専務だった。高木らの報告を受けたお客さまは厳しい表情に変わり、気まずい時間が流れた。「何か別の形で、新しい提案をさせていただきます」。高木は思わず口にしたが、この時の高木にはまだ具体策が浮かんでいなかった。具体策が浮かばないとはいえ、ビジネスモデルは問題が見当たらないお客さまである。業歴は数百年以上と長く、その間には経営危機もあっただろうが乗り越えてきた。扱う和菓子、洋菓子も長い間高い人気を誇っている。問題は売り上げが伸びていないという課題をどう見るかである。売り上げが安定的と見るか、それともネガティブに見るか。もっとお客さまの事業を理解すれば、何かしら商工中金らしい提案ができるはず。そんな思いをもっていた高木は、お客さまを再訪することにした。今度は一人での訪問だが、目的は製造現場を自分の目で確かめるためだ。現在の製造設備であれば、現在の3倍の商品が製造できると聞いていた。キャパシティに問題がないのであれば、生産効率の向上が期待できれば新たな提案ができるのではないかと考えたのだった。

※職員の所属部署・掲載内容は取材当時のものです。