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Project Story 06

次世代へのバトンタッチのために新たな問題解決方法にチャレンジ

渡辺 寛幸 2009年入庫/長岡支店 営業第一課 調査役

実践的な研修内容を即座に行動に移す

「このソリューションはD社にぴったりじゃないだろうか?」。「事業承継」に関する本部の研修が実施され、渡辺はそのメンバーとして、1泊2日の受講を終えたばかりだった。函館支店で5年間を過ごした後、出身地である新潟の長岡支店に異動して間もないころのことだ。事業承継とは経営者がその会社や事業を後継者に引き継ぐこと。近年、経営者の高齢化が進む一方で、後継者が見つからない企業が多く、事業承継が問題になるケースが増えている。とくに中小企業ほどその傾向は顕著だ。そこで、商工中金では事業承継を大きな問題としてとらえ、それを解決するためのソリューションを提供できるように、営業窓口に対する研修を実施したのである。研修では、中小企業の経営者はどんな悩みを抱いているのか。そして、それに対して商工中金はどんなサポートができるのか。本部のスペシャリストがわかりやすく説明を行った。「事業承継案件は今まで扱ったことがなかったのですが、とても実践的な研修でわかりやすかったですね。講義とグループワークを通じて、『この解決方法はあのお客さまに対して有効ではないか』といった実例が頭に浮かび、研修中はずっと集中できました」。その中で、ここにアプローチしてみようとピックアップしたのがD社だった。

高齢化する経営者の悩みにアプローチする

「D社長は地域でも知られた“親分肌”の社長で、リーダーシップがあり面倒見もいいので地元の多くの同業者からも一目置かれている存在です。私のような若い人間に対しても決して横柄に振る舞うことはなく、訪問すると常に丁寧に接してくださるんです」。渡辺がこの会社に事業承継に関するソリューション提案をしようと考えた理由は、D社長が60代半ばという年齢にあること。実は事業承継を行う時期は、社長が60代であるケースが多いのだ。さらに、グループ会社が複数あり、現状のままで事業の譲渡や相続などが行われた場合には、多くの問題が発生するであろう可能性が予見できた点だった。そして、渡辺の予想通り、D社長は事業承継に悩んでいた。

粘り強い提案を続けて本音を引き出す

D社を訪問した渡辺はしばらく雑談した後、おもむろに「ところで社長は事業承継についてはどのようにお考えですが」と切り出してみた。「その話はしばらくいいよ」。想定された反応だった。事業承継は非常にデリケートな問題だ。家族関係や資産状況などに踏み込んで話さなければならないケースが多い。何よりも経営者本人の引退や万が一の場合を前提とした話である。問題を直視したくないために、事業承継の話を嫌がる経営者は多いのである。その後も渡辺はD社を訪れるたびに、経営者が代表権や議決権を渡すケースは60代が多いという話や、事業承継で失敗したケースなどを、少しずつ、けれど粘り強く伝え、様子を見続けた。そして、実はメイン銀行がすでに事業承継について提案をしていた事実を聞き出した。「その時は資料を読めばわかるような制度の話しか出なかった。踏み込んだ内容にはならなかった」とD社長。そして「事業承継は考えなくてはいけないとは思っていた。だが、どうすればいいのかやり方がわからなかった」と本音を語り始めた。「詳しい話を聞かせて欲しい」というD社長の言葉を受けて、後日、渡辺は本部の事業承継の専門家とともにD社を訪れて、ヒアリングを実施。さらに事業承継の手法について具体的な提案を行った。そしてD社長から連絡があった。「商工中金さんの提案でやってみるよ」。渡辺が粘り強くアプローチした結果だった。