Project Story 06

いったんは破談になりかけた初の海外案件
ここが正念場と奮起して成功へ

金子 拓真Takuma Kaneko

2017年入社/熱田支店 営業第四課

MOVIE INTERVIEW

初めて訪れたインドネシアはエネルギーがみなぎっていた

インドネシアのジャカルタにあるスカルノハッタ国際空港に降り立ち、目的地の工業団地に向かう車から見える街の光景に、金子は圧倒されていた。初めて訪れたインドネシアは、道路を埋め尽くすほどのおびただしい数のバイクで渋滞が続くものの、バイクを走らせる若者たちの表情は明るくエネルギーに満ちていた。2019年9月上旬のことである。金子が課長と二人でインドネシアを訪れたのは、3月に融資を実行したばかりの自動車関連の現地法人の工場の稼働状況を把握するとともに、同社の社長と面談することが目的だった。商工中金では事業性評価といって、財務諸表だけでは十分には読み取れない工場の稼働状況や生産効率、社員の熱意を総合的に判断して融資の可否を判断する。そのお客さまに対しても、融資に際して事前に国内工場の見学を行っていたが、融資した資金はどのように使われているのか、現地法人の稼働状況を勉強しにきたのである。現地法人の社長との面談も、融資後半年間の経営状況や経営環境の変化などのヒアリングのためだった。ヒアリングによって事前に行った事業性評価の通り、経営は融資によって一時の苦境を乗り越え軌道に乗り始めていたが、望外の感謝の言葉に金子は身体が震えそうになった。「長い間苦しい思いをしたが、おかげで明るさが見えてきました。本当に助かりました」と社長は、課長と金子に頭を下げたのだった

過去の取引実績からアポイントは簡単に入った

金子が商工中金を選んだのは、微力ではあっても中小企業の力になりたいと考えたためだ。実家も長く事業を営んでいる。資金繰りの大変さは何度も目の当たりにした。中小企業は日本経済の底力。その手助けをしたいと強く望み入社したが、その思いが自身初の海外案件として結実させたことを社長の言葉で実感した。だが、話はそれほど簡単ではなかった。発端は、2018年初夏のことである。課長と相談した結果、過去にお取引があったのもの、現在は縁が切れてしまったお客さまの掘り起こし訪問に力を入れることになった。金子がそのお客さまに注目したのは、過去の記録から財務内容に問題はない上に、インドネシアに進出していることに関心を持ったためだ。中小企業の海外進出はいまや珍しくはないが、インドネシアは日本の商社が工業団地を建設し、内外の企業を誘致する取り組みが活発だ。その現状はどうなのか。その興味も強かった。アポイントを入れると、過去のお取引実績からか、経理課長が面談してくれることになった。だが、経理課長の話は意外なものだった。

堅調と思えたインドネシア進出は課題山積だった

「実は計画通りには受注できておらず、資金回収がままならないこともあります。かなり苦労しています」。経理課長は率直に悩みを打ち明けてくれたのである。お客さまがインドネシアに進出したのは、数年前。お取引のある自動車関連の大企業の生産拠点構築に伴うものだった。インドネシアはG20に加盟する東南アジア最大の経済大国。豊富な資源を有し2億6000万人もの人口はいまも増え続け、今後も経済成長が期待されている。それにもかかわらずインドネシア事業が芳しくないのは、国民の購買力が十分ではないことと、税制が日本と大きく異なることから想定以上の資金が流出しているためだった。そのため、お客さまは親会社から資金支援を受けるとともに、営業面も親会社に大きく依存する状況に陥っていた。だが、親会社の支援も限界に近づいており、インドネシア事業の立て直しが喫緊の課題になっていた。金子はいったんその話を持ち帰り、課長も交えて支店内で打ち合わせを繰り返した。その間にもお客さまに定期的に訪問し、周辺情報の収集に務めた。お客さまのインドネシア事業の全体像を把握してからは、動きは早かった。お客さまの課題を解決できるスキームを提案。窓口になっていた経理課長は乗り気になり、案件成立も間近と思われたが社内調整に齟齬があったのか、断られてしまった。

※職員の所属部署・掲載内容は取材当時のものです。