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Project Story 05

付加価値の高い提案と地道な活動で顧客が抱える問題を解決する

多田 義章 2007年入庫/福岡支店 営業第五課 調査役

商工中金からの融資は必要ないといわれて奮起

「すでにほかの銀行との取引があるので、商工中金からの融資は必要ない」。初めての訪問で冷たくあしらわれて、多田の負けん気に火がついた。多田は福岡市の中心部である博多区と中央区で120社を担当している。博多の中心部だけに担当業種には飲食業や種々のサービス業などが多い。そうした中で新規開拓のために訪問した先がE社だった。設備投資なしでの電気料金の削減提案という耳慣れないビジネスを展開する企業で、飲食店や小売店に対して電気料金の削減を提案している。通常、電力契約は地域の電力会社との間で行うものだが、それをE社との契約に切り替えるだけで、電気料金が安くなるという。顧客は複数店舗を展開するコンビニチェーン、飲食店チェーン、レンタルビデオ店など。E社は電気工事のプロと言える専門性の高い社員が組織している会社であり、具体的な削減金額シミュレーションが提供可能であることを強みに、全国に顧客を持っているという。従業員数わずか8名で売上げは14億円を超えている。
「パッと聞いただけでは、どういうビジネスモデルなのか正確に理解できませんでしたが、ほかの銀行が融資を行っている以上、確固たる根拠のあるビジネスなのは確かです。単純な融資であれば、もはや商工中金が入り込む余地はありませんでした。しかし、一度断られただけで引き下がるわけにはいきません。E社に対して何か付加価値の高い提案や有意義な情報を提供できないか。いろいろ話を聞くうちに思い至ったのがビジネスマッチングだったんです」

事業のボトルネックの解決策を提案する

商工中金が行うビジネスマッチングとは、顧客、取引先、業務提携先、仕入先、販売先などを探している企業同士を紹介して、両者を結びつけることだ。商工中金では全国展開しているために、たとえば北海道の原料メーカーを九州の食品メーカーに紹介するなど、遠方の客も紹介できる。多種多様な地域や業種と取引があるので、多彩なパターンのマッチングも可能なのだ。一方、E社には大きな悩みがあった。顧客の開拓が思い通りに進んでいなかったのである。契約をするだけで経費削減になるという画期的なサービスではあったが、どれだけ優れた商材をもっていても、会社や商材の知名度がないために中堅や大手企業に話を聞いてもらうこと自体が難しい。商工中金の顧客である中小企業にはありがちな悩みである。仮に商材の中身が理解されても、企業としての信頼性が保証されなければ、取引に至らないケースも往々にしてある。さらにE社として設備投資が必要なビジネスであるため、優良な顧客の獲得に四苦八苦していた。
「今回、ほかの銀行にはない独自性を発揮するためには、ビジネスマッチングは最適でした。E社長に全国ネットワークを活かして、ビジネスマッチングが可能であることを案内してみたのです。すると半信半疑ながらも興味を示してくれました。E社のサービスを契約してくれそうな顧客を紹介してくれるのであれば、商工中金との取引を検討してみてもいいという話になりました。マッチングが成立しても手数料が発生するわけではありません。でも、やってみせようじゃないかと思いましたね」

自分自身がE社の営業担当になる気持ちで

しかし、事はそう簡単には運ばなかった。支店内でマッチング先を募ってみたものの、元々の母数が少なかったために、マッチングができそうな会社が見当たらない。同僚からもさまざまな情報をもらい、商工中金のほかの支店にも情報提供を求めた。社内システムのビジネスマッチング掲示板にE社の情報を掲載した。ところが、マッチングできそうな企業があっても企業同士の面談に至らない。なぜなのか。多田は頭を抱えた。
「根気良く続けていけば必ず芽が出ると思っていましたが、結果が出ません。やはりサービス内容そのものがわかりにくいために、ほかの支店の営業窓口に、E社の特徴をなかなか理解してもらえないようでした。また、契約先を切り替えるだけで料金が下がるという『おいしい話』だけに、何か裏があると思われがちなのも否めません。なぜうまく伝わらないのか。理由を考えて思い至ったのは、自分自身が商品のアピールポイントを十分に把握していないこと。そこで私自身がE社の営業担当として仕事ができるくらいに、サービスを理解しようと決心したのです」