Project Story 04

地域金融機関をリードし、
新倉庫建設の夢を後押しする

酒井 理嗣Yoshitsugu Sakai

2014年入社/京都支店 営業第一課

新たな提案にも乗り越えるべきハードルが

新たなアイデアは、商工中金とメインバンク2行が協調して全く同じ条件で融資を行えば、手数料なしでシンジケートローンと同じ経済効果が期待できるのではないかというものだった。酒井はB銀行の本部担当者との接触を開始した。酒井の提案にB銀行も同意した。ところが、まず融資の条件面に問題があった。融資額が大きいので月々の返済額を抑えるためにはその分だけ貸出期間を長く設定する必要がある。商工中金側では貸出期間を20年と想定していたが、B銀行では10年までしか対応できなかったのである。そしてもう一つの問題は、新倉庫の建設予定地は地元の地主から賃借している物件で、A社の所有ではなかったことだ。この場合、通常は土地そのものに抵当権をつけることができない。商工中金ではこのようなケースでも建物だけに抵当権を設定し融資を行ったことがあり、珍しいケースではない。しかし、B銀行ではそうした事例がこれまで全くなかった。「商工中金の内部ばかりに目を向けていたのを反省しました。せっかく持ち上がった案件を自分が担当した途端に頓挫させるのは避けたい。何よりもお客さまが抱いている計画を潰すことがあってはならない。プレッシャーは大きかったですね」

緊密な連携のもとで協調融資の実現へ

酒井は本部の専門セクションとともに、どのような形での融資が可能なのか検討を重ねていった。そして、貸出期間の問題については当初10年間で融資額の半額を分割して返済し、最終期日に残りの半額を一括で返済するという条件にするが、最終期限到来時に再度追加融資を行って実質の貸出期間を20年にするという、テールヘビー型の案が出てきた。また抵当権の設定に関しては、地主から承認を得れば建物を抵当として設定できる手法があると説明し、B銀行にスキームを丁寧に教えていった。「ついにB銀行からの承諾が得られ、融資に必要な書類を揃えることができたときには本当にホッとしました」。融資が可能になったことで新倉庫は予定通り着工された。酒井たちが地鎮祭に参列すると、「今回は商工中金のおかげで新倉庫の建設という夢を実現することができました。ありがとうございました」と社長からも感謝された。現在工事は着々と進み、まもなく新倉庫は完成してフル稼働する予定になっている。

協調融資の実現で地域経済の活性化にも貢献

「後日、メインバンクであるB銀行からも京都支店に対する御礼がありました。協調して融資を行うことに合意いただいてから密に連携しながら同じ形で対応できたことや、スキーム提供に関することについてでした。他の銀行に対してこちらから一緒にやりませんかと提案できるのも商工中金ならではの仕事の面白さだと思います」と酒井は振り返る。「商工中金は地域の金融機関をリードする存在です。現在進行形で大きく成長している企業や社運を賭けた大型設備投資に乗り出そうとしている中小企業にとって、複数の銀行が融資等を通してバックアップすることができればこれほど頼もしいことはありません」。地元に新たな経済拠点ができて地域の活性化にも貢献することができたという意味でも、今回の融資は大きな意義があったと酒井は考えている。「この案件を通して一つのアイデアが頓挫しても、また次のアイデアにチャレンジすればいいということも学びました。この案件を通じて自分の引き出しがまた一つ広がったという実感があります。課長から教わった通り、商工中金は融資の商品ありきではなく、お客さまの課題を解決するために何ができるのかを一生懸命考え、粘り強く実現に向けて推進していくことができる銀行であると思いました。自分自身にとっても、若手のうちからさまざまな案件に携われることは大きなメリットです。これからも常に学びながら、お客さまに貢献できるように成長していきたいですね」

※職員の所属部署・掲載内容は取材当時のものです。