Project Story 03

急成長する新興企業の成長のシナリオを協力にバックアップ

高橋 陽一郎 2000年入庫/押上支店 営業第一課 課長

突然立ちふさがったもう一つのハードル

「店舗も隈なく案内してもらいました。一生に一度のウェディングドレスを取り扱う店だけに、ファッショナブルな通りに面した店舗は高いステイタスを感じさせるものでした。店内のフロアにはチリ一つ落ちておらず、赤ちゃんが安心してハイハイができるかという視点で、店内の清掃や美観維持には力を入れているということでした。接客スタッフの教育も行き届き、大切なお客さまをもてなすためのマナーは一流ホテル並みのレベルの高さ。C社長がこのビジネスで実現しようとするコンセプトが、すべてにおいて貫かれているのを実感できましたね」
事業の実態を十分に理解することができたため、高橋は融資審査の申請にとりかかった。そんなとき、C社側から連絡があった。ある大手銀行からも融資について提案がきていると言うのだ。成長著しいC社だけにほかの銀行も放っておくはずがなかったのである。商工中金が行う一般融資と比較すると、大手銀行のほうが有利な条件だった。このままでは高橋の提案を社長が受け入れてくれることは困難であると感じた。高橋の前にもう一つのハードルが立ちふさがることになった。せっかく商工中金に対して大きな期待をいただき、ビジネスモデルや事業展開についての説明や店舗案内まで社長にしていただいたにもかかわらず、その期待に応えられずに終わっていいはずがない。仕事人としての高橋のプライドに火がついた。

成長戦略支援制度の活用で逆転を狙う

他行からの提案がある中、商工中金と取引してみたい、そうC社長に思っていただくためにはインパクトのある提案が必要だった。C社長との面談を高橋は思い返してみた。事業計画のヒアリングの中で出てきたのが、昨今増加する海外ウェディングを取り込むことを最優先課題としているという話だった。海外に拠点を開設する計画を、商工中金が実施している成長戦略総合支援プログラムでサポートすることができるのではないか。この成長戦略総合支援プログラムとは、政府が今後の成長分野として位置づける高齢化対策、少子化対策、海外進出、スマートシティといった分野の事業に対して、資金調達だけでなく事業計画の実効性を高めるため、融資後もビジネスマッチング、M&A、海外展開支援など、商工中金の持つさまざまなソリューションを提供していく商工中金の独自の制度である。
「この制度に合致すれば、通常よりも有利な条件での提案を含めた総合的なサポートが可能です。制度を利用するためにはC社が今後どのような成長戦略を立てて事業を展開していくのか、成長戦略計画の策定の必要性やその基本的方向性について共通認識を醸成する必要がありました。そこでC社長に改めてこの制度の活用を提案してみたのです。その結果、快諾を得ることができました。もともと明確なビジョンの持ち主だったC社長と今後の海外事業展開、設備投資、資金調達などの計画についてのヒアリングを開始しました。社長の頭、胸の内にあった事業計画を次々と事業計画書に落とし込んでいく。この事業計画書をもとに審査部に対して説明を行った結果、自信を持ってC社を支援することとなりました」

融資をバネにさらに成長スピードが加速中

新規のお客さまに対する無担保での多額の融資について、当初は厳しさも少なからず感じていたが、C社とのリレーションを構築した結果、C社の期待に沿う提案をすることが可能となった。
現在、C社は取引スタート時の中長期計画を上回るペースで、事業規模の拡大と高収益体質の確立に成功している。その後も高橋は新規出店資金を中心に追加の支援も実施し、さまざまなソリューションを提案。商工中金の全国ネットワークを活かして、各地の結婚式場とのビジネスマッチングなども提案している。今では、支店の基盤の一つとして良好な関係を築くにいたっている。
「C社長からは"商工中金は中小企業のニーズに即し、かつ条件面で有利な制度融資を取り揃えているので、資産背景の乏しい当社としては非常によい資金調達を行うことができた"と喜ばれました。さらに"自社のビジネスモデルには絶対の自信を持っており、その点を評価してもらえたのはありがたい"との言葉をいただくことができたのです。私自身も課題を乗り越えて優良な企業と新規で大口取引を結ぶことができたこと、そしてお客さまに感謝されたことで大きな達成感が得られました。引き続きC社の更なる事業展開のためにさまざまなサポートを続けるとともに、この経験を次の仕事への糧にしていきたいですね」