Project Story 02

会社の将来を見据えた経営者の決断を、
社内外と連携しながらサポートする

柳田 和己Kazuki Yanagida

2014年入社/津支店 営業第三課

「なぜ今なのか」と難色を示す銀行を説得する

しかし、ことはそれほど簡単には運ばなかった。会社分割を行うためには、どの資産がどの事業に属するものか、また、その資産はどの融資によって購入したものかを、一つひとつ判別する必要があった。その作業が難航し、柳田はサポートのために何度もU社に顔を出した。一方、シンジケートローンを実現するには、他の銀行に協調融資への参加要請をする必要がある。柳田たちは協調融資を依頼する銀行2行を訪れて、今回の会社分割とシンジケートローンを行う意義について説明を行った。また、シンジケートローンを使って借り換えを行う融資の中には、保証協会の承認を要するものもあった。銀行も保証協会も当初は難色を示した。まだ社長も50代と若く経営にも問題がないのに、なぜ会社分割や借り換えが必要なのか?「その説明をするのが自分の役目だと思い、周囲のアドバイスを受けながら銀行や保証協会と地道に交渉を続けました。その結果、説得することに成功できたのです。お客さまのために、時には数ヶ月もかけて他行にアプローチして、根気強く説得や根回しを行う。商工中金らしい仕事ができたのではないかと感じています」そう柳田は振り返る。

新たな問題の発生で融資が空中分解の危機に

U社を訪問するたびに状況をたずねられて、柳田は期待の大きさを感じていた。そんな矢先に問題が持ち上がった。シンジケートローンを組成するには、過去の複数の融資をいったん一括で返済することになるが、その中の一つに、途中で一括返済した場合に違約金が発生する条項が入った契約があった。銀行側からの提案に従って借り換えをするのに、違約金を支払うのは納得できない。そうU社が反発して、シンジケートローンの計画が空中分解する危機に直面した。「他の銀行を巻き込んだ上に、U社にもさまざまな手続きや交渉に参加してもらうために、負担をかけていました。ここで話が頓挫してしまえば、これまでU社の歩みに寄り添ってきた、商工中金の伝統が途切れてしまいます。それだけは避けたい思いがあったので、何としても踏み止まろうと思いました」と柳田は振り返る。月に1度程度だったU社への訪問が、週に1回に増え、最後の2週間は毎日通うようになった。条件調整の最終局面では、上司たちから細かなアドバイスを受けた。その結果、関係者それぞれが納得できる着地点を見出すことができたのだった。奔走の甲斐あって、会社分割は8ヶ月、シンジケートローンはおよそ1年の後に実現することができた。

すべてはお客さまの思いを実現させるために

「この件については、商工中金と柳田さんに、非常に感謝しています」と社長から感謝の言葉を受けた。融資が受けられたことだけではなく、商工中金として総力を挙げて取り組んだその姿勢に対して、感謝されたのだと思った。財務内容も大きく改善され、社長の今後の事業展開に対する熱意も増大しているのは、まさに柳田が望んだことだった。「お客さまが叶えたいことは否定せず、その夢を実現させたいと思いました。そのために、膝を交えてお客さまのニーズをしっかり傾聴する経験ができました。そして、お客さまがどうしたいのかを理解して、何がお客さまにとってメリットになるのかを、峻別するスキルが身についたと思います。それが、お客さまとの強固なリレーションをつくるのに最も重要なことだと思います」。自分たちに期待してくれるお客さまがいる。そして、誠実に取り組んでいれば、いつか商工中金に振り向いてくれる潜在的な顧客もいる。そう柳田は考える。「支店にはお客さまのことを真剣に考える人間が揃っています。そして、本店にはさまざまなソリューションを提供できる人たちもいる。それとお客さまをつないでいくのが営業窓口の使命だと思います。お客さま、商工中金、そして社会の要請に応えていくことを突き詰めて、後輩たちにも伝えていきたいですね」

※職員の所属部署・掲載内容は取材当時のものです。