Project Story 01

熊本地震で被災した食品スーパーを再建に向けて全力で支える

山口仁史 2008年入庫/熊本支店 営業第一課 調査役

メインバンクに先駆けて再建への支援を表明する

S社にとって問題だったのが、本店再建のための資金調達だった。S社は以前から、マンション解体をするための予算を手当てしていたものの、地震による本店の建て直しは想定外だった。修繕が必要な店舗もあった。また、事業の多角化の一環として運営するスポーツジムも、地震で移転を余儀なくされた。それらが重なり莫大な資金調達が必要だった。山口は定期的にS社に通いながら、そうした情報を逐一キャッチしていた。そして、他の銀行に先駆けて再建への支援を表明していった。当初商工中金は取引銀行の一つという位置づけで、現在のように全面的に頼るという状況ではなかった。「山口さんは定期的に訪問し、当社の状況を良く理解してくれているので頼もしく感じました。以前、当社の業績が低迷した際にも、変わらないスタンスで支援をしてくれました。また、当社の財務担当の専務が銀行出身で、さまざまな意見を言うタイプ。それに対して、山口さんは物怖じせずに懐に飛び込んでくるので、私たちとしてもいつの間にか全面的に信頼を寄せるようになったのです」と、S社の経理部長は当時を振り返る。

地元の銀行と協調して融資の実行にこぎ着ける

本店の再建計画は、二転三転した。復興のための建設ラッシュで、建設業者を見つけることもままならない状況だった。そうした中で山口は、粘り強くS社に通い、ヒアリングやフォローを続ける一方で、各種補助金や、支援制度について情報提供を続けていった。『グループ補助金』についても、補助金を受けるための情報提供を欠かさなかった。山口に対して全幅の信頼を寄せていたS社からは、商工中金から必要な資金の全額を調達したいという話を切り出してきた。しかし、S社の将来の経営を考えた場合には、他の銀行からもバランスよく融資を受けたほうがプラスになる。そこで、山口はメインバンクとともに協調融資にすべきだという提案し、説得を行った。幸いS社からの了承を得ることができ、両者の協調による融資が実行された。「今回商工中金はどこよりもスピーディな提案ができたと思います。災害復旧は被害を元に戻すだけでも非常にお金がかかるので、お客さまは少しでも早く回答が欲しいはずです。お客さまの想いに対して、支店だけではなく本部も力を合わせて迅速な対応をしてくれたので、強力にお客さまをサポートできたことが信頼関係の構築に結びついたと考えています」

再建した店にできた長蛇の列を地域の復興につなげる

震災発生から1年半、S社はやっと本店の改築オープンにこぎ着けることができた。感謝セールには多くのお客さまが押し寄せて、長蛇の列ができた。「良い店ができたと感動しました。商工中金には政府系金融という点での安心感を抱いていましたが、それ以上に、そこで働く人たちが全力で対応してくれる姿勢が素晴らしいと感じました。山口さんには、今までのスタンスで変わらずお付き合いを継続していただけると、当社としても非常にうれしいですね」とS社の経理部長は言う。「融資の契約時に、専務から『大変お世話になりました』という言葉をいただけたのが、非常に励みになりました」と山口も口をそろえる。しかし、熊本県内には、いまだ復旧ができていない企業もある。熊本の象徴である熊本城の復旧工事が終わるのもまだ先のことだ。「まだ復旧できていない会社を、一つでも手助けできればと思っています。そのために、誰よりも早く対応することを心がけていきたいです。商工中金で資金調達ができてよかったという言葉を聞けるのが、何よりのやりがいです」