

商工中金は、「商工組合中央金庫法」という特別の法律に基づいて昭和11年11月に政府と中小企業の組合が共同出資を行い、設立した中小企業専門の金融機関です。
全国の支店網を通じて、中小企業の皆さまの事業資金を専門に融資するほか、預金、債券、証券、内国為替、外国為替などを取り扱っています。

●株式会社商工組合中央金庫法(新商工中金法)により、平成20年10月1日以降、市場の動向を踏まえつつ、新商工中金法施行後おおむね5〜7年を目途として、政府保有株式の全部を処分することとされていますが、株主構成は中小企業団体およびその構成員に限定されており、「中小企業の、中小企業による、中小企業のための金融機関」として、中小企業金融機能が維持されます。


融資に必要となる資金は、債券や預金などを通じて自己調達しており、そのほとんどを中小企業向けに融資しています。また、債券は金融機関や機関投資家の皆さまから一般のお客さままで、幅広くご購入いただいています。



商工中金は、幅広い金融サービスを展開する全国ネットワークの総合金融機関です。
●全国約2万6千(25,822(平成20年3月31日時点))の所属中小企業組合
(加入組合員数は推計約300万社)が、商工中金のネットワーク。
●地域の中核となる中小企業との高い取引率。
●全国で約7万3千社の中小企業と貸出取引を行い、約9兆円の貸出規模。


商工中金は、中小企業の皆さまとの日常的な取引を通じて、財務だけでなく、業務や技術の内容、経営者の手腕や思いなど、経営の実態を熟知しながら、経営状態の一時的な悪化にとらわれることなく、長期にわたる安定的な取引スタンスを維持しつつ、企業のニーズに即した機動的なサービスの提供に努めています。
●財務内容や資金繰りの状況を的確に把握・分析する力
●事業内容や技術力を評価し、将来性を見極める力
●経営者の思い、悩みを受け止め、事業展開や経営改善をアドバイスする力
●企業のニーズに応じ新たなビジネスチャンスや金融手法を提案する力







お取引先との長期的なリレーションシップを深め、信頼関係に基づく融資を提供しています。

テレビカメラを載せる台座のメーカーとして、イギリスのメーカーと市場を二分するのが、昭和19年設立の株式会社昭特製作所(神奈川県川崎市)。創業者自身を含め、自社内に設計技術者が多数いることが最大の強みで、高精度で信頼性の高い製品をつくり続けています。会社を担う設計技術者たちの育成や、放送機器や電子制御装置の設計製作など多様な事業展開を支える技術開発には、継続的な投資が必要です。商工中金では、長期にわたって安定した資金供給を行い、同社の設計技術の向上を応援しています。
高度な設計技術が生んだ、テレビカメラのリモートコントロールシステム


平成19年12月、商工中金は「泡盛」のさらなるブランド確立と安定供給を目的に、沖縄県酒造協同組合と連携して「泡盛古酒ローン」を創設しました。「古酒(くーす)」とは泡盛を3年以上熟成させたもので、まろやかな味が特徴です。平成20年3月には本ローンの第1号案件として、合名会社新里酒造(沖縄県沖縄市)に対し3,000万円の運転資金、伊平屋酒造所(沖縄県島尻郡伊平屋村)に対し2,000万円の古酒備蓄施設の建設資金および運転資金を融資しました。沖縄県には47の泡盛の醸造所があり、泡盛は地元での消費に加え、代表的な特産品でもあり、全国での消費も増えています。商工中金では、重要な地場産業である泡盛業界の発展に向けて、金融面から積極的にサポートしていきます。

合名会社新里酒造(左)と伊平屋酒造所(右)の代表的な銘柄


景気変動の影響を受けやすい中小企業に対し、長期的な視点から安定的な資金供給を行うことで、セーフティネット機能を発揮しています。また、災害や経済の急激な変動などの危機が発生した際には、特別相談窓口を開設し、迅速・適切な対応に努めています。

平成20年6月に創立70年を迎えた協同組合島根県鐵工会は、年商約100億円を誇り、安定した成長を続けています。同組合では、製鉄メーカーや機械工具メーカーと組合員の間に入って鉄をはじめとする資材を大量に購入し、組合員に分割販売する卸売を行っています。しかし、卸売という特性上、リスクは避けられません。昭和45年には地元の農機具メーカーが倒産し、組合員への影響が懸念されました。商工中金はただちに、当時としては大型の連鎖倒産防止融資を実施しました。組合に生じた危機に迅速に対応し、セーフティネット機能を発揮。組合員全員の安定と成長に貢献しました

安定供給に向けて、倉庫に確保した鋼材

昨今の原油価格高騰の影響を受けている石油製品販売業者などの中小企業の資金調達をサポートしています。平成20年4月1日、商工中金では、全営業店に「ガソリン・軽油販売関連中小企業金融支援対策特別相談窓口」を開設し、経営に支障をきたしている中小企業からの借入申込などに対して、個別の実情に即した迅速な対応を行っています。また、社団法人全国石油協会(東京都千代田区)では、販売業者が資金調達する際に同協会が保証人となり、金融機関に対して借入債務を保証する「セーフティネット資金制度」の限度額を引き上げ、平成20年4月14日から全国の石油組合で受付を開始しました。
商工中金では本制度をセーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)として取り扱っています。

| 名称 |
開設年月 |
開設店舗 |
| 大舞工業関連 |
平成19年 7月 |
京都支店 |
| 平成19年7月梅雨前線の大雨に伴う災害 |
平成 19年 7月 |
熊本支店 |
| 平成19年新潟県中越沖地震災害 |
平成 19年 7月 |
新潟支店、長岡支店、長野支店、諏訪支店、松本支店 |
| 平成19年台風5号災害 |
平成 19年 8月 |
宮崎支店 |
| 平成19年台風11号および前線による大雨に伴う災害 |
平成 19年 9月 |
秋田支店 |
| 建築関連中小企業者対策 |
平成 19年 10月 |
全営業店 |
| 長田組土木関連 |
平成 20年 2月 |
甲府支店 |
| 平成20年2月23日から24日にかけての低気圧による富山県における災害 |
平成 20年 3月 |
富山支店、高岡支店 |


中小企業が必要とする多様な経営課題やニーズに対し、過度に不動産担保・個人保証に依存しない先進的な金融手法を開発して、資金調達の円滑化と多様化を実現しています。

| 手法 |
開始年月 |
実績累計 |
| 私募債 |
平成 5年 4月 |
3,937件 |
4,330億円 |
| 売掛債権流動化 |
平成 12年 2月 |
109社 |
7,772億円 |
| シンジケートローン |
平成 12年 3月 |
(主幹事案件)283件 |
3,295億円 |
| DIPファイナンス |
平成 13年 7月 |
777件 |
274億円 |
| 地方公共団体CLO |
平成 14年 3月 |
756社 |
260億円 |
| DDS |
平成 16年 3月 |
27件 |
72億円 |
| ABL |
平成 17年 5月 |
30社 |
40億円 |





平成19年10月、商工中金は「大島つむぎ」を製造・販売する窪田織物株式会社(鹿児島県鹿児島市)に対し、大島つむぎを担保とするアセット・ベースト・レンディング(ABL)契約を締結し、5,000万円の融資枠を設定しました。ABLは、不動産担保や個人保証に過度に依存せず、事業のライフサイクルに着目した金融手法です。同社は伝統工芸品である大島つむぎ製造・販売における地元有力企業であり、ABL導入で製品・仕掛品などを資金調達に活用することが可能となりました。商工中金は、今後も新しい融資スキームに取り組み、伝統産業の発展に貢献していきます。

大島つむぎ

立山酒造株式会社(富山県砺波[となみ]市)は、清酒立山の商標「立山」が全国的に著名であり、直近10年間の全国新酒鑑評会で9年にわたり金賞を受賞しています。また、売上ランキングでも中部圏第1位、全国20位と躍進中です。同社が酒造用好適米を原料に100%使用していること、および同社の持つ高い技術力と生産体制に着目し、商工中金は酒造用原料米・仕掛品・製品といった動産と「立山」の商標権を担保として、事業に必要な運転資金2億円を融資しました。不動産担保や個人保証に過度に依存しない、こうした新しい融資に積極的に取り組み、地域経済の活性化に貢献しています。
立山酒造株式会社の代表的ブランド「立山」


自然災害の中で大型地震の発生は、中小事業者に対して経済的・物理的な影響を及ぼすことが多いことから、商工中金では地震発生時に被る損失を軽減しつつ、事業資金の調達にお応えする商品として「地震特約付ローン」を開発しました。
本商品は、一定以上の地震が発生した際に返済額の一部を免除する特約を付した商品であり、商工中金がそのリスクを損害保険会社に移転を行っています。
第一回目の取組みは、仙台支店管轄内(主として宮城県)の中小事業者を対象に募集を行い、約14億円の取扱実績となりました。
災害時の事業継続計画(BCP)策定など防災対策に積極的に取組む企業には金利優遇を行っており、本商品を通じて中小事業者のBCP策定促進にも貢献しています。


商工中金は、平成19年7月より、天候・地震・原油の各デリバティブ取引の媒介業務を開始しています。これらのデリバティブ取引は、いずれも「オプション取引」といわれるもので、お客さまに損害保険会社へオプション料(オプションの掛け金)をお支払いいただき、お客さまと損害保険会社との間で取り決めた期間内に、気象条件、震度(またはマグニチュード)、原油価格の指標が、あらかじめ取り決めた数値以上あるいは以下になった場合に、損害保険会社から補償金が支払われるというものです。これらの商品の活用により、企業の経営努力では回避できないリスクに備えることが可能となりました。